アヴァルの断崖（Falaise d'Aval）に向かう途中にあるエトルタのカキの養殖場（le parc à huîtres d'Étretat）では、波打ち際の岩を直接掘って仕切った生け簀が設けられていた。これは、この土地の牡蠣を好んだマリー・アントワネット王妃のために作られたものだったが、実は、それらの牡蠣はエトルタ産でなく、ノルマンディ半島をはさんだ反対側にあるカンカル湾から持ってきたものだった。とはいえ、断崖から海に流れ込む地下水と塩分を含んだ海水をかわるがわる浴びた牡蠣は、数ヵ月で繊細な味になり、パリのレストランで多く取引きされたほど。現在この養殖場はもう使われていないが、エトルタの多くのレストランでは地元産牡蠣を味わうことができる。